R4.9 老後について
R4.9月 老後について
朝夕が涼しくなり秋に近づいていることを感じる毎日です。
オミクロン変異体による感染者の増加、それに伴い重症化や死者の増加もみられています。ワクチン未接種や必要回数の接種ができていない方に重症化や死亡の率が高くなりますので可能な方は早めの接種を受けられることをお勧めします。
ワクチンに関する多くの情報で迷うことも多いと思いますが国が出している情報はきちんとしたデータに基づいていますので公的情報を参考にしてみてください。
さて、今月は本の紹介をしたいと思います。
講談社 山田悠史 著 “最高の老後「死ぬまで元気」を実現する5つのM”という本です。
これは現在アメリカの大学病院で老年内科医として活躍されている日本人医師が日米での臨床経験や多くの論文を読みこみ、吟味した上で書かれています。日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳ですが、元気で生活できる指標である健康寿命は男性が72歳、女性が75歳です。平均寿命も健康寿命もどちらも年々増加しているものの約10年間のひらきについては変化がありません。
この10年間は自力での生活が難しく支援や介護が必要となる可能性がある期間と考えられています。病気療養も含めていろいろな人生があってよいと思いますので、この10年間が絶対健康でなければいけないというつもりは全くありません。
病気を抱えながらも生きがいをもって楽しく生活されている方がいることも知っています。でもできればなるべく人生の最後まで元気に過ごしたいと思うのが多くの方の希望ではないでしょうか。
この本は5つのM(Mobility:からだ、Mind:こころ、Multicomplexity:予防、Medications:薬、Matters Most to Me: 生きがい)を丁寧に解説することで、将来の老後を健康的に過ごす知恵を教えてくれています。特に5つ目のMatters Most to Me:生きがいについてはとても大事ことだと思います。
とても読みやすい本ですので秋の夜長に一度読まれてはいかがでしょうか。
もりもと内科医院 森本尚孝