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R4.7 血糖に注目してみましょう

[2022.07.26]

4.7月 血糖に注目してみましょう

7月下旬となり毎日暑い日が続いております。
熱中症には十分気をつけておられますか?
ご高齢の方は自宅でエアコンをつけない方もおられますが、熱中症の約4割は屋内で発生しているとの報告もあります。
気温が高い時はエアコンで室温の調整をするようにしたいものです。こまめな水分摂取と汗をかけば塩分の補給もしてください。

さて今月は血糖について考えてみましょう。
血糖といえば糖尿病を思い浮かべることができますか。食べ物に含まれる糖質は消化管で消化吸収されブドウ糖として血液に入ります。
このブドウ糖を血糖と言い、インスリンが膵臓から分泌されることで肝臓や筋肉に取り込まれてエネルギーとして利用されます。
ここで糖尿病の患者さんはインスリンの分泌量が少なかったり、インスリンの働きが悪いために細胞に血糖がとりこまれず血液中に長時間残ることとなります。
この状態が長く続くと血管が傷んでしまって糖尿病の合併症を起こしてしまうわけです。

眼の合併症は網膜症で失明の原因に、腎臓ですと腎不全になって透析に、神経ですと足の感覚がわからなくなって傷から感染して足を切断することもあります。
長期にわたるコロナ禍では運動不足の方が増加しており、外来通院の方をみても血糖値が以前より悪化している方が増えている印象を持っています。
もともと糖尿病であった方はなおさらですが、境界域にあった方が明らかな糖尿病域に入っていることもよく見かけます。
血糖を上げる原因として先ほど説明した運動不足に加えて、偏った食事や食べ過ぎ、ストレスをためることなどがあります。運動不足に対しては有酸素運動として散歩、レジスタンス運動として筋トレが良いと思います。
熱中症対策をした上で、できれば週3日ほどにわけて1週間で150分は体を動かしたいですね。食事は1日3食きちんとたべるようにし、なるべく間食をしないことが大事です。糖質や炭水化物を摂取することがどうしても多くなりがちですがそれらは控えめとし、食物繊維(ブロッコリー、えのきだけ、ひじきなど)やたんぱく質(肉、魚、厚揚げ、豆腐、枝豆など)を意識してとることも考えてみましょう。
飲酒も注意が必要です。肝臓の観点からみるとアルコール量としては1日20gまでが望ましいです。
ビールや日本酒、酎ハイには糖質が入っていますので当然飲み過ぎると血糖にも影響します。ストレスについては外にでて自然と触れあうことが重要です。私は散歩が好きで、歩きながら木々、空、川、生き物や草花などの自然を見るととても気持ちがよいです。ストレス発散になりますし運動療法にもなります。自然の大きさを感じると人間が考えるような悩みなどはとても小さいことのように思えてストレス解消になる場合もあるかもしれません。友人や家族ととりとめもない話をしながら散歩するのはさらに良いと思います。しっかり日中に散歩などで体を動かしていれば夜は適度につかれてよく眠ることもできます。
不眠症は日中にほとんど体を動かしていない方がよく言われますので是非そういった方は、もっともっと体を動かすことをお勧めします。

置かれている環境によってできることとできないことは当然あると思います。
血糖を意識しながら自分のできる範囲で血糖を上げないように工夫をしつつ日々を過ごしてみるのも健康維持のためにはとても大事なことです。コロナ禍に負けず頑張りましょう!

もりもと内科医院 森本尚孝

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