メニュー

R3.11 閑谷学校を訪れてみて

[2021.11.10]

11月に入りました。とても気候がよく、紅葉もきれいな季節となりました。先日家族で備前市の閑谷学校へ行ってきました。

閑谷学校は岡山藩主の池田光政氏が江戸時代の前期(1670年)に創建された、現存する世界最古の庶民のための学校とのことです。門から入ってすぐ2本の楷(かい)の木が目に入ります。鮮やかな橙、黄色の葉がとても美しく感じられました。地方においてもさまざまな領域でリーダーとなりうる人材を育成するために創られたようです。この自然に囲まれた静かな環境で同僚たちと切磋琢磨して生き生きと勉強されていた光景が目に浮かびます。

コロナ禍で世の中が混沌としており、何が正しいことなのかなかなか判断がつきにくい状況にあります。約350年前にこの閑谷学校で学んでおられた優秀な先輩方もその時代において多くの困難なことに遭遇されていたのでしょう。そして皆で知恵を出し合って何が最適かを考えながら結論をだして進んでこられたのだと思います。
この先輩方が現在のわが国や世界の状況をどのようにみられるだろうかとふと考えてみました。人類は便利さとスピードを追求し過ぎているのではないか。目の前にある「もの」や「こと」があるのを当たり前に考えすぎていないか。すぐにものが手に入らなかったり、すぐにサービスが受けられないことで怒ったりいらいらしたりしやすくなっていないか。
忙しすぎるこの現代社会では自分たちを振り返る余裕があまりないように思います。少しくらい不便なくらいの方がもしかしたらよいのかもしれません。昔がすべて良いとは思いませんが、私が生まれた昭和の時代は、今よりも不便な世の中であったにもかかわらず、多くの方々はなにかゆったりとした感じがあり、おたがい様やおかげ様の心をもって気持ちに余裕があったように思われます。
このコロナ禍では不便を強いられることも多いのですが、もしかすると行き過ぎた世の中に少しブレーキをかけて「おいおいそんなに急がずに、もう少しゆっくり行こうよ」と教えてくれているのかもしれません。閑谷学校に久しぶりに行ってみて少しそんなことも考えてみました。

もりもと内科医院 森本尚孝

正しい新型コロナワクチンの情報⇒ 「こびナビ」のホームページ: https://covnavi.jp

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME