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R1.9 総合内科医とは

[2019.09.24]

私が医師になったのが平成9年で約23年前のことになります。
その頃の医療の内容と現在を比べると大きく変化しています。
医療は日進月歩で、社会の情勢に応じて発展してきたのだと思います。
一方で次々に導入される医療には多くの知識や技術が必要となるために医療は細分化が進み、医師も専門性を追求するようになりました。それはそれで大変重要なのですが、各専門領域の専門医が増加し、ある程度なんでも診ようとする医師が不足するようになりました。今から20年前の医療では比較的若い患者さんが多い時代でした(65歳以上の高齢化率 約15%)ので専門的に一つの病気を治すという考え方でも十分対応できていました。その後日本は高齢化が急速に進み、2018年では高齢化率は28.1%と超高齢社会になりました。
年齢を重ねていくと多くの慢性的な病気を持つようになります。
医療機関にかかられる方の病気は複雑化し、ある病気を治療しようとしても他に病気があるために治療をどうすべきか迷うことが増えてきました。
専門医のみで日本の医療を担っていくことが難しくなってきたのです。
内科の領域だけでも呼吸器、消化器、循環器、腎臓、内分泌代謝、神経、膠原病、血液、アレルギーなど多くの領域に分かれています。専門医に対して、内科全般にわたってある程度知識や技術を持ち、そしてさまざまな状況において幅広く順応に対応できる内科医を総合内科医と呼ぶようになりました。
 一人の医師の担当する領域が狭くなりすぎると患者さんはそれぞれの症状に対してそれぞれの専門の医師にかかる必要があり必然的に薬の数も増えてしまいます。

以前書いたポリファーマシーもそれが原因となっている場合もあります。今の時代においては、さまざまな症状や病気にある程度対応できるような総合的な視点を持った内科医が必要となってきたと思います。
もちろん心臓カテーテルや各種内視鏡検査・治療、外科手術などの高度医療ができる専門性を持った医師も必要です。限られた医療資源を有効に生かすために、まずは患者さんに近い総合内科医が窓口となり自分が診療できる範囲はしっかり診療する。
そして専門医との連携が必要な場合は適切に紹介し治療を委ねるといった良い流れを作ることがこれからの日本の医療においては大変重要と考えます。

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