メニュー

R1.8 二次性高血圧症を知っていますか?

[2019.08.01]

皆さん、こんにちは。7月下旬からは毎日暑い日が続いていますが、熱中症の予防対策は大丈夫でしょうか(涼しい環境の確保、塩分・水分の摂取など)。

さて、今月は高血圧症の中でも二次性高血圧症について話題を提供したいと思います。

職場の健診や特定健診で高血圧を指摘され当院を受診される方が今年もかなりおられます。
約9割は本態性高血圧といって年齢とともに全身の動脈硬化が進行し起きてくる高血圧であり塩分制限や降圧剤の内服、肥満があれば減量をすることになります。
しかし今回取り上げる二次性高血圧症というのは、本態性ではなく原因が他にある高血圧の場合をいいます。比較的若い方、肥満や糖尿病がないのに血圧が高い、降圧剤を3種類以上飲んでもコントロールが難しい場合は二次性高血圧のチェックを行ってみることをお勧めします。
具体的にはどういった病気が原因かといいますと
①副腎性、②腎性、③薬剤性(ステロイド、鎮痛剤や甘草)などに大きく分けます。

①の副腎性の場合は原発性アルドステロン症(これが比較的多い)、クッシング症候群、褐色細胞腫などがあります。

②の腎性では腎臓の腎動脈が細くなる腎血管性高血圧、腎臓そのものが悪くなる慢性腎臓病(慢性腎不全)等があります。

①については副腎の精密検査(採血で内分泌検査、CTで副腎に腫瘍の有無をチェック)が必要となります。副腎に腫瘍がみられる場合は手術を行うこともあります。②の腎血管性高血圧は、まず超音波検査で疑わしい場合は精密検査に進みます。腎動脈が細くなっていることが確認されればカテーテルで血管を広げる治療を行う場合があり、上手くいくと高血圧が治ります。また慢性腎不全のように腎機能が低下する高血圧は食事療法や降圧治療の強化で進行を緩める治療を行います。

二次性高血圧も多くは降圧薬による治療をしますが、原因がさまざまであり手術やカテーテル治療で治癒することもありますので疑わしい場合は積極的に精査を行う必要があります。気になられる場合は診察室で遠慮なくご相談いただければと思います。

もりもと内科医院 森本尚孝

2019年08月01日

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME