R6年7月 熱中症と新型コロナウイルス感染症
7月に入り毎日暑い日々が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。日中は35℃前後まで気温があがることが多く外にでるのを躊躇してしまいますね。
さて、当院もスタッフ一同地域の方々の健康を守るため日々頑張って診療しております。最近診療していて気になるのは熱中症のような症状で来院される方が増えていることです。悩ましいことに風邪症状も併発しているため検査をすると新型コロナウイルス感染症(コロナ)が陽性となる方もおられます。これは昨年の夏にも多く経験しました。おそらくコロナを先に発症され風邪症状が出現しているにもかかわらず無理をして仕事や部活をしてしまうため熱中症を発症してしまうのだと思います。
コロナはまだまだ普通の風邪とは言えません。ワクチン接種をされている方が増えてきたため以前のようにコロナで重症化する方は減っていますが、入院される方や後遺症で悩む方もそれなりにおられます。我々の免疫状態もまだ安定していないと考えます。熱中症については重症化して臓器障害を残したり、死亡することがある病気です。熱中症は防ぐことができます。予防できる病気で重症化したり命を落とすことはとても残念でありもったいないことだと私は思います。
まず風邪をひいたら無理せず休みましょう。コロナは他の方へ感染させる力が強いウイルスです。コロナの検査をうけるかどうかは別としても風邪を引いた場合は常にコロナである可能性を考え感染を広めない対策をしましょう(マスク着用、換気、接触を控える)。大事な家族や友人を守る行動を皆でとれるといいですね。そしてご自身のからだも大事にしてください。熱中症とコロナが合併しますと重症化のリスクが高まります。温度の高い場所で仕事をされる方、運動部の学生さんなどは特に注意が必要です。風邪症状と熱中症様の症状は区別がつきにくいこともあります。疑わしい場合は仕事や部活を中止し早めに涼しいところで休養し水分や塩分の補給を行いましょう。数日は休みをとって様子をみるくらいの慎重さが必要です。
1995年から2022年までの日本の熱中症による死者総数と65歳以上の死者数のグラフを載せておきます。特にここ10年は特に増えて高止まりしている状態です。コロナや熱中症対策を十分行い、楽しい夏をすごしましょう。 森本尚孝